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ネコの毛並の遺伝子(6)

ネコは、上位者が下位者のお尻のニオイを嗅ぐ権利を持つのよ。

私はテンテンのお尻をクンクンするけど、テンテンがクンクンしようとすると怒るわ。

私の方が、強いのよ~~



さて、遺伝子の色を日本語で説明するのって難しいわね。

茶トラの茶色の部分と、キジ猫の茶色の部分は、違う遺伝子の働きによって出来ます。

でも、日本語では同じ「茶色」です。

混同するといけないので、茶トラの色はオレンジ色と言うことにします。



それから、遺伝子記号を表すときに、優性遺伝子は大文字、劣性遺伝子は小文字と

決まっていますが、大文字と小文字って画面上では見分けがつきにくいので、

優性遺伝子は優大文字、劣性遺伝子は劣小文字(O遺伝子の場合は、優O、劣o)と書くことにします。



毛並の遺伝子座は常染色体上にありますが、O遺伝子座だけX染色体上にあります。

と言うことは、オスは性染色体がXYなので、母ネコから受け継いだX染色体上のO遺伝子しかありません。

メスは、性染色体がXXなので、O遺伝子は2個あります。

ここで問題です。

オスの場合、優Oならば、何色になるでしょう。
 ・
 ・
 ・
オレンジ色(茶トラ)!!

正解でもありますが、不正解でもあります。

これは、他の遺伝子の組み合わせによって変わるからです。



優Wを持つ猫は必ず白猫になります。

優W優W(両親から優Wをもらったとき)でも、

優W劣w(片方から優W、他方から劣wをもらったとき)でも、必ず白猫になります。

「W遺伝子はほかのすべての毛色遺伝子に対して上位である、という言葉を遺伝学では使う」
(『ネコの毛並み-毛色多型と分布-』より引用)

W遺伝子は、毛並の遺伝子ですが、メラニン色素合成に関係するので、目の色が青になったり、

オッドアイ(左右で目の色が違う)になったり、耳が聞こえにくくなったりするそうです。

耳の器官が形成されるときにメラニン色素が必要だからとか、音を聞く細胞に変異を起こさせるためとか、

諸説あります。



次に、C遺伝子は着色をつかさどる遺伝子です。

有色にするには、チロシンという物質を酸化し、メラニン(黒色や茶色の素)を合成しないといけません。

この時には、チロシンを分解する酵素(チロシナーゼ)が必要ですが、C遺伝子が劣c劣cになると、

チロシナーゼが生成されず、チロシンを分解できないので、メラニン合成されません。

皮膚の色素が作られないのでアルビノ(色素欠乏・白化)になります。

毛だけでなく、目の色素も作られないので、血管の色がそのまま映り、赤目になります。

実際の写真は、Wikipedia「白猫」に載っています。

アルビノのネコの発生率は極めて低いと思います。

サイアミーズ(シャムネコ)やバーミーズといったネコ種のポイントの出方にも、

このC遺伝子が関わっています。



D遺伝子が劣d劣dに揃うと、オレンジ色が希釈されてクリーム色になります。



S遺伝子では、優S優Sの場合、白斑が大きくなり色柄部分が少なくなります。

優S劣sの場合は、白斑が少なくなり色柄部分が多くなります。

劣s劣sの場合は、白斑はありません。



優Oを持つオスの色は、白・オレンジ(茶トラ)・オレンジ白(茶トラ白)・クリーム・クリーム白。

ネコ種によっては、レッドポイント、クリームポイントになる。

でいいのかしら。難しいわね~~



I遺伝子は、フェオメラニン(キジ猫の毛の茶色い部分)を希釈するので、

キジ猫をサバ猫に変化させます。

オレンジはフェオメラニンの色だから、茶トラの条件に優Iがあれば、

黒い部分の無いサバ猫(グレーと白の縞)になるのかしらと思ったけれど、

I遺伝子よりO遺伝子の方が上位になって希釈されないのかしらね。どうかしら?

詳しい方がいらっしゃればコメントくださいね~~

追記:I遺伝子は、WやOより弱いので、劣w劣wかつ劣oの時でないとシルバーにはならないそうです。
   アグチのタビー模様がシルバーになります。
   『ネコと遺伝学』を参照しました。



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