日本のテレビドラマは
リアリティに欠けるので見ないのですが、
『アライブ がん専門医のカルテ』は
がん治療のリアルが徹底して描かれている・・・
という前評判だったので
楽しみにしていました。
フジテレビ系列で木曜日の夜10時からの放送です。
夜10時には寝ていますので録画して見ました。
松下奈緒さん(腫瘍内科医・恩田心)の主演だそうですが
ダブル主演かと思ったほど
木村佳乃さん(消化器外科・梶山薫)が良い味出していました。
それで感想なのですが、
私の通っている病院や環境と全然違ったので
リアルとは思えませんでした。
でも、世の中にはあのような病院もあって
あのような患者もいるのだなと思うようにします。
ドキュメンタリーではなくドラマなので
誇張したり誤解を招くことがあるのかもしれませんね。
番組の順番通りに違和感などを書いていきます。
一番初めは、肝臓がんの患者(高畑淳子さん)が睡眠薬を欲しがった時に
「処方箋をなくしたので前回貰えなかった」と言っていて
恩田医師が「お薬手帳を見せてください」と言うシーンです。
意味が分からなかったです。
薬局で薬を貰う時にお薬手帳を提示すると料金が少し安くなりますし、
薬剤師さんがお薬手帳にシールを貼ってくれます。
なので、睡眠薬の処方箋を本当になくしたのか
それとも必要よりも過剰に貰おうと思っているのかの確認なのかな
と思ったのですが、
薬局で「お薬手帳を忘れた」と言えばシールは貼られませんので
実際に睡眠薬を貰っているのかいないのかは
お薬手帳を見ただけでは分かりません。
結局、患者は不必要に睡眠薬を欲しがっていたのですが
そんなこと普通の病院でやったら怒られる
というか医師に軽蔑されると思います。
余剰の睡眠薬を転売されるかもしれないのに
ニコニコ笑っているなんて信じられないです。
次に、他の病院からの紹介状を持っていた胃がん患者
(NON STYLEの石田明さん)が部屋の外で倒れていたらしく
恩田医師が走ってきて患者を診るシーンです。
あれは腫瘍内科の診察室なのでしょうか?
なぜ恩田医師が走ってくるのか分かりませんでした。
それに病院の中を走る医者なんか見たことないです。
そもそも紹介状を持ったまま患者が何故ウロウロしているのか?
受付は通らないのでしょうか?
腫瘍内科医への紹介状かと思ったら
実は消化器外科への紹介状だったようですし
消化器外科の部長は「自分の患者を勝手に見ないでくれる」とか言うし
病院の機能としてちょっとおかしいんじゃないかと思いました。
この患者はその後入院します。
外来の待合室で診察室に入るのを拒否して
看護師に「先生がお待ちですよ」と促されても
「嫌ですよ。だって僕死ぬんでしょ。」とか言うのですが
そこでゴネるのはちょっとどうかと思いました。
診察を受ける気が無いのなら病棟のベッドから出なきゃいいのに
と思います。
恩田医師は主治医に内緒でこの患者の検査をしたがるのですが
調べるともうすでに検査が実施されていることに気が付きます。
主治医は勘違いして恩田医師に「勝手に検査するな」と怒るのですが
電子カルテの中に誰が検査を指示したかとか
書かれていないものなのでしょうか?
検査依頼はパソコンで行われると思いますが
誰が指示したかもわからないような検査が通るっておかしくないですか?
病院の機能としてちょっとどうかなと思いました。
ヤドリギの会という家族会に参加している妊婦が
胎盤早期剥離で出血したあと無事出産したのですが
応急処置をした恩田・梶山両医師に
産科の主治医が「この患者は昔卵巣腫瘍をしていた」とか説明するのですが
第三者に個人情報をそんなに簡単にペラペラしゃべる医師がいるとは思えないです。
医療情報は、
個人情報の中でも特に保護されなければならないセンシティブ情報ですので
明かな法律違反です。
原発不明ガンの患者(石野真子さん)が腫瘍内科を受診して
検査の結果、卵巣ガンによく似た腹膜ガンと診断されます。
抗がん剤を受ける時のシーンで
この患者の内縁の夫が椅子の近くまでやってくるのですが
私の通う大学病院では
患者の家族は抗がん剤センターの待合までしか入れず
処置室に入れるのは患者本人と医師などの医療従事者だけでした。
何故かというと、
抗がん剤は取り扱いに気をつけなければいけない大変な薬剤だからです。
その処置室に家族がずかずか入り込んでくるなんて考えられません。
内縁の夫は実は若年性認知症を患っていると後から分かるのですが
それが分かった後でも恩田医師がガン患者の医療相談をしようとしたところには
驚きました。
内縁の夫でも代わりに医療同意書が書けるのだな~というところにも驚きましたが。
抗がん剤にアレルギー反応が出たので
別の抗がん剤を試すことになったのですが
治るかどうかも分からないのに抗がん剤をするのは嫌だと
抗がん剤の中止を希望します。
このシーンは恩田医師の説明不足だと思いました。
説明が足りていたら抗がん剤を中止するような感情が働かないと思います。
その後、患者の意思を変えさせるために策を弄するのですが
就寝中の患者を起こして車いすに乗せ
朝焼けを見に行くシーンもまた有り得ないと思いました。
患者の健康を守るために就寝時間はきつく決められており
それを医師が破って患者を連れ出すなんてもってのほかだと思います。
医療とは関係ないのですが
恩田医師の子どものレン君が
とても躾の悪い子でびっくりしました。
また、恩田医師の夫(匠・中村俊介さん)の父親(京ちゃん・北大路欣也さん)が作る
食事がとても美味しそうでした。
鶏肉の寄せ鍋・明太子の厚焼き卵・京ちゃんの巻き寿司・
コロコロコロッケ・筑前煮・ひじき煮も美味しそうでしたが
ほうれん草のサーモン巻きとズッキーニ揚げは食べてみたいなと思いました。
梶山医師は、恩田医師の夫が意識不明になった原因であるようで
なぜ恩田医師にかかわるのか疑問が残ります。
医療ミスを起こした医師が何の罰も受けずに
医療従事者としてやっていっているのも違和感を覚えました。
などなど、いろいろ違和感や疑問点が多かったので
もう見ないでおこうと思ったのですが
「がんドラマ・アライブ を現役腫瘍内科医が専門解説」を
youtubeで見て
ドラマの裏側が分かってものすごく勉強になったので、
youtubeの解説を見るためにドラマも見続けるつもりです。
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