今年1月に愛媛県松山市で
タクシーの中から現金の入ったバッグが盗まれた件で
女子大学生が誤認逮捕されました。
その女子大学生が代理人弁護士を通じて手記を公表しました。
私は、毎日新聞のネット記事で全文を読みました。
すごくビックリしましたし
愛媛県警の捜査チームに対してとても怒っています。
というのも
誤認逮捕にありがちなのが
前科があるなどすると指紋がデータベースに残っているので
現場に残っていた指紋から
間違って逮捕されることがあるからです。
指紋が残っていても事件のときに付着したのか
「事件以前」とか「事件後から指紋採取までの間」に付着していたのか
判断できないからです。
女子大学生の手記が出る前には
「指紋がベータベースにあったのかな?」
と思っていました。
ところが、
該当の女子大学生は前科も前歴もなくまじめに暮らしていたそうで
多分指紋採取なんかしたことがないであろう人物であるからです。
また、任意捜査の際にも指紋採取に応じているにもかかわらず
自白を強要されていることから
現場からは女子大学生の指紋が出ていないことが分かります。
じゃあ、どうして誤認したのかとても不可解です。
ちなみに、
私は指紋採取をしたことがあります。
自宅に泥棒が入って警察に来てもらったときに
泥棒の指紋と家人の指紋を比較するために指紋採取しました。
もうずいぶん前のことなので
指紋は保存されていないでしょうけれど
どこかで行き倒れて亡くなった時に身元が分かるので
保存しておいてもらっても構わないです。
話を元に戻します。
タクシー内窃盗事件の犯人は
女子大学生が住んでいたアパートに住む女性だったそうですが
この女性が自分から警察に出頭したのか
任意の取り調べで自供したのか
報道からは分からなかったのですが
もし同じように任意の取り調べで自供したのなら
同じように自白を強要されているのかもしれませんので
もっと詳しく知りたいと思いました。
「愛媛県警がなぜ女子大学生を犯人だと誤認したのか」
というところなのですが
愛媛県警の記者会見では
「捜査員の思い込み」
だと言っていました。
思い込むにしても何らかの根拠があると思うのですが
どのような根拠があって誤認したのか
これも詳しく知りたいと思いました。
このアパートには女性が何人か住んでいたと思いますし、
住んでいなくても住人のもとに訪れた友達や恋人などの可能性もありますし、
犯人が近隣住民の場合だってあるでしょうし。
その中からピンポイントで女子大学生を選択して逮捕した理由が明らかにならないと
健全な住民生活は送れないと思います。
もしタクシーの運転手さんが確信的に「あの女子大学生が犯人だ」
とでも言ったのなら名誉棄損になると思いますが、
弁護士さんはタクシー会社にも話を聞くのでしょうか?
愛媛県警の記者会見では
「自白の強要はなかった」そうですが
女子大学生の手記からは自白の強要が読み取れます。
「就職も決まってるなら大事にしたくないよね?」
「君が認めたら終わる話」
「こんなに時間のかかるものじゃない」
「ごめんなさいをすれば済む話」
「懲役刑とか罰金刑とか人それぞれだけど早く認めたほうがいいよ」
「認めないからどんどん悪い方へ行ってるよ」
「今の状況は自分が認めないからこうなってるんだ」
「また取り調べか、とか思ってるんだろう。認めないと終わらないよ」
などなど言われたそうですが
こういう言葉が自白の強要でないなら
愛媛県警の言うところの自白の強要とはどのような言葉なのでしょうか?
また、人格否定するような侮蔑的な言葉も言われたそうです。
「犯人なら目の前にいるけど。」
「やってないことを証明できないよね?」
「タクシーに乗った記憶ないの?二重人格?」
「いつ(自分がやったと)言うのか待ってるんだけど」
「罪と向き合え」
などなど。
初めから女子大学生が犯人だと決めつけていますが
女子大学生が犯人だと確信するに至った根拠を
もう一度精査しないと
お粗末な捜査に終始してしまいますし
本当の犯人を逮捕することはできないと思います。
それが本当に単なる「思い込み」だったら
プロ意識の欠損だと思いました。
正しい情報収集をしなければ、何も判断できないと思います。
捜査にかかわったチームの皆さんに猛省を促したいし
公権力を扱う自覚を再認識していただきたいと思います。
被害者の女子大学生は
国家賠償法に基づいて損害賠償請求を行うそうですが
当然の権利だと思います。
女子大学生の被害だけにとどまらず
補填される賠償金は税金から出ますので
愛媛県警の不適切な捜査によって国民全体が被害を受けることを
該当捜査チームの皆さんには肝に銘じてほしいと思います。
(追記)
タクシーにはドライブレコーダーが設置されていて
その映像に映っている犯人と女子大学生が似ていたため
誤認したそうです。
似ていたと言っても
若い女性はおおむね似たような感じなので
例えば「金髪モヒカン刈りの若い女性」とかいうくらいの特徴がなければ
「似ている」だけで任意同行を求めるのも
ちょっとどうなのかなと思います。
ましてや、犯人とされる女性は
同じアパートに住んでいたのですから
女子大学生よりもさらに「似ている(本人だから)」若い女性がいるのに
なぜ女子大学生を逮捕したのか理由になっていません。
ドライブレコーダーの画像が鮮明でないなら
余計に気をつけなければいけないと思います。
結局は、「きちんと捜査をしなかった」というのが
誤認逮捕の原因ではなかろうかと思います。
以前、大阪府警でも誤認逮捕が起こりました。
他人のクレジットカードを使って給油した罪で
犯行時間にガソリンスタンドの防犯カメラに映っていた男性が逮捕され
長い間拘留されました。
男性は無実を主張しましたが大阪府警は聞き入れず自白を強要しました。
無実を信じる家族と弁護士さんの調査によって
犯行時間帯に男性は高速道路に乗っていたことがわかりました。
実は、ガソリンスタンドの防犯カメラは
実際の時間とずれていたのです。
その時間のずれを調整すると犯行には別の男が関与していたことが分かり
逮捕され長期拘留された男性は無実であることが証明されました。
大阪府警の記者会見によると
警察官の引継ぎなどがうまく行かず
捜査方法が若い世代に伝授されていなかったために
裏付け捜査ができていなかったそうです。
一般市民にしてみれば
警察に逮捕されるということは大事件なのですから
公権力にかかわる方は
十分に気を付けていただきたいと思います。
話は変わって
ネプチューンの名倉さんが
頸椎ヘルニア手術後の「侵襲」によってうつ病を発症し
約2か月間リハビリ休養されるそうです。
手術後の侵襲によるうつ病というのを初めて聞いたのですが
医学的にはよくあることだそうです。
私が見た「侵襲」のサイトでは
特にがん患者に多いと書いてありました。
名倉さんのヘルニア手術の経過は順調だそうですから
漠然とした不安によるうつ病なのかなと推察するのですが
人生なる様にしかならないので
あまり悩まない方がいいと思いました。
でも、痛みや不快感が残っているなら
ペインクリニックなどを受診するのもいいのかなと思います。
身体的に慢性の不調があるなら
それを改善するほうがQOLが上がりますから。
QOLとは、クオリティ・オブ・ライフ(人生の質)のことです。
私は、術後すぐに飲むロキソニンが良く効いたし
順調に回復したのですが
「可動域の回復」のためのストレッチは
自分の判断でまだ早いと感じて指示通りには行いませんでした。
マニュアルみたいなのがあったのですが
看護師さんに「この内容は少し時期が早いのでは?」と言いました。
無理せず過ごしたおかげで回復も早くて
退院するときには可動域はほぼ完全に戻っていましたし、
「拘縮する人もいるのに、よく動きますね」と褒められました。
回復の度合いは人によって違うので
自分の身体に耳を傾けて
休養していただきたいと思います。
名倉さんは真面目な方だそうですが
「真面目」と「無理して頑張ること」は違いますので。
2か月は長いようで「あっ」という間ですから焦らずに。
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