ネコは、上位者が下位者のお尻のニオイを嗅ぐ権利を持つのよ。
私はテンテンのお尻をクンクンするけど、テンテンがクンクンしようとすると怒るわ。
私の方が、強いのよ~~
さて、遺伝子の色を日本語で説明するのって難しいわね。
茶トラの茶色の部分と、キジ猫の茶色の部分は、違う遺伝子の働きによって出来ます。
でも、日本語では同じ「茶色」です。
混同するといけないので、茶トラの色はオレンジ色と言うことにします。
それから、遺伝子記号を表すときに、優性遺伝子は大文字、劣性遺伝子は小文字と
決まっていますが、大文字と小文字って画面上では見分けがつきにくいので、
優性遺伝子は優大文字、劣性遺伝子は劣小文字(O遺伝子の場合は、優O、劣o)と書くことにします。
毛並の遺伝子座は常染色体上にありますが、O遺伝子座だけX染色体上にあります。
と言うことは、オスは性染色体がXYなので、母ネコから受け継いだX染色体上のO遺伝子しかありません。
メスは、性染色体がXXなので、O遺伝子は2個あります。
ここで問題です。
オスの場合、優Oならば、何色になるでしょう。
・
・
・
オレンジ色(茶トラ)!!
正解でもありますが、不正解でもあります。
これは、他の遺伝子の組み合わせによって変わるからです。
優Wを持つ猫は必ず白猫になります。
優W優W(両親から優Wをもらったとき)でも、
優W劣w(片方から優W、他方から劣wをもらったとき)でも、必ず白猫になります。
「W遺伝子はほかのすべての毛色遺伝子に対して上位である、という言葉を遺伝学では使う」
(『ネコの毛並み-毛色多型と分布-』より引用)
W遺伝子は、毛並の遺伝子ですが、メラニン色素合成に関係するので、目の色が青になったり、
オッドアイ(左右で目の色が違う)になったり、耳が聞こえにくくなったりするそうです。
耳の器官が形成されるときにメラニン色素が必要だからとか、音を聞く細胞に変異を起こさせるためとか、
諸説あります。
次に、C遺伝子は着色をつかさどる遺伝子です。
有色にするには、チロシンという物質を酸化し、メラニン(黒色や茶色の素)を合成しないといけません。
この時には、チロシンを分解する酵素(チロシナーゼ)が必要ですが、C遺伝子が劣c劣cになると、
チロシナーゼが生成されず、チロシンを分解できないので、メラニン合成されません。
皮膚の色素が作られないのでアルビノ(色素欠乏・白化)になります。
毛だけでなく、目の色素も作られないので、血管の色がそのまま映り、赤目になります。
実際の写真は、Wikipedia「白猫」に載っています。
アルビノのネコの発生率は極めて低いと思います。
サイアミーズ(シャムネコ)やバーミーズといったネコ種のポイントの出方にも、
このC遺伝子が関わっています。
D遺伝子が劣d劣dに揃うと、オレンジ色が希釈されてクリーム色になります。
S遺伝子では、優S優Sの場合、白斑が大きくなり色柄部分が少なくなります。
優S劣sの場合は、白斑が少なくなり色柄部分が多くなります。
劣s劣sの場合は、白斑はありません。
優Oを持つオスの色は、白・オレンジ(茶トラ)・オレンジ白(茶トラ白)・クリーム・クリーム白。
ネコ種によっては、レッドポイント、クリームポイントになる。
でいいのかしら。難しいわね~~
I遺伝子は、フェオメラニン(キジ猫の毛の茶色い部分)を希釈するので、
キジ猫をサバ猫に変化させます。
オレンジはフェオメラニンの色だから、茶トラの条件に優Iがあれば、
黒い部分の無いサバ猫(グレーと白の縞)になるのかしらと思ったけれど、
I遺伝子よりO遺伝子の方が上位になって希釈されないのかしらね。どうかしら?
詳しい方がいらっしゃればコメントくださいね~~
追記:I遺伝子は、WやOより弱いので、劣w劣wかつ劣oの時でないとシルバーにはならないそうです。
アグチのタビー模様がシルバーになります。
『ネコと遺伝学』を参照しました。
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